令和3年度 審査の様子

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令和3年【 第12回福井県ビルメンテナンスこども絵画コンクール 講評 】

 審査員代表 牧井 正人(福井県造形教育研究会長 高椋小学校長)

1 最優秀賞
・ごみを食べてくれるカメレオンという発想がいいですね。汚いごみを食べると、カメレオンは色鮮やかな美しい体になることも、この子の考えたアイデアなのでしょう。

2 協会賞
・大きなごみではなく、小さなごみを細菌のように見立てて、このアイデアを考えたのでしょう。虫眼鏡に大きく拡大された中で、自然のおそうじ屋さんが頑張っています。青い水と赤の色が画面全体をたいへん美しく演出しています。

3 館長賞
・カブトムシなどの虫が、暗闇にあるごみを食べていく姿が大胆に描かれています。また、赤や青、黄色、緑など色鮮やかな種をつくりだし、右側は明るく表現されています。このアイデアも、表現が豊かで素晴らしいですね。

4 金賞
・これは海の中のそうじです。イルカのロボットが海の底にあるごみを拾っています。カニもそうじを手伝っていて、どんどんと海が美しくなっていく様子を描きました。こんなクリーン作戦があるといいですね。

5 銀賞① キリンのおそうじロボにのりたいな
・キリンロボットの背中に乗って、そうじをしています。楽しそうですね。キリンは背が高いので、ビルの高いところのそうじもきっと大丈夫。ピンクの背景とキリンの黄色がとても優しい雰囲気を出していますね。

6 銀賞② 宇宙人がプラスチックゴミを掃除しています
 ・宇宙のごみをそうじしているところですね。地球だけでなく、宇宙を宇宙人と仲よくそうじできるなんて素敵です。暗闇の宇宙を掃除機でごみを集め、星が輝いている、壮大な表現です。

7 銀賞③ おそうじ恐竜ロボ発進!!
・大きな、白い恐竜がそうじをしてくれます。こわい恐竜もいますが、この恐竜は優しいのでしょう。家やクルマ、空など、とても優しい色で表現されています。磁石のような手足で次々とごみを集めるアイデアがいいですね。

8 銀賞④ 図書館のそうじ
・図書館のそうじをしてくれるロボットがいたら、いいですね。高いところも、背を伸ばして簡単にそうじできるようです。学校生活の中から見つけたテーマで、本当にこのようなロボットができるといいですね。

9 銅賞① みんなでおそうじしよう!
・右側は青い海、そして砂浜、お山やお家も見えます。全体的に明るい色調で楽しくそうじしている感じが伝わってきます。虹色の掃除機やお家などから、楽しさをたくさん感じます。

10 銅賞② くるまそうじき
・こんなくるまがあったら、操縦してみたいですね。たくさんの手がクルマから出ていて、ムカデのようにたくさんのごみを集めています。ごみが集めると、カラフルで、宝石のような世界になるのですね。

11 銅賞③ 虹色そうじき、大かつやく!
・雲に乗って、虹色そうじきを操縦しています。海の中のごみも、地上のごみも全部、虹色光線で集める様子が色鮮やかに伝わってきます。すごく夢のある、そうじきですね。

12 銅賞④ ごみをけずると環境に良くなります
・鉛筆削りからヒントを得て、ごみを削ると虹になったり、小さな植物の芽になったりするようです。赤い空には、ちょうちょも飛んでいます。自然が美しく循環する仕組みを子どもなりに考えた絵ですね。


【総評】 「子どもたちの天才的なひらめきが、未来を創りだす」

今年も県内の幼稚園、小学校等から約1,500点を越える作品が集まりました。コロナ禍ですので、様々な制限のある学校生活の中で、果たして伸び伸びと表現できるのか、楽しんで描けるのか、不安でありました。しかし、審査会では色彩豊かな表現、子どもらしい視点でアイデアいっぱいの絵の数々を拝見し、審査員一同、安堵しました。参加された皆さん、そして指導された先生方に心から感謝いたします。
最優秀賞に選ばれた作品は、「ごみを食べてくれるカメレオン」という発想です。これは、この子の考えた「未来のそうじ」のアイデアです。本当に子どもたちの想像力は、無限大です。この絵画展では、そうした子どもたちが自由に想像したアイデアをいっぱい感じることができます。他にも、「虫眼鏡の中で小さなおそうじ屋さんが頑張っている」、「カブトムシが暗闇にあるごみを食べていく」、「海の中でイルカのロボットがごみを拾っている」など、どれも夢があふれる、おそうじのアイデアで、感心しました。
子どもたちはアイデアを考えるときに、これまでの生活体験の中から材料を探すようです。動物園で見た背の高いキリン、テレビで見た宇宙のニュース、夏休みに行った恐竜博物館、本を読むのが大好きな子は図書館など、身近な生活の中から、想像を膨らめ、アイデアを考えたのでしょう。そして、入賞した作品の多くは、未来の地球を守ろうとおそうじする自分が願って描かれた様子が生き生きと描かれています。これが児童画のよいところです。
美術界の巨匠ピカソは、「僕のライバルは子供だけだ!」との言葉を残しています。福井県の芸術家である、故・小野忠弘氏も生前、「子供は天才だ!」と機会あるごとに語っていました。子どもは、絵を描く、ものをつくることの天才なのです。そして、その天才的なひらめきが、他教科への学びにつながり、これからの未来を創っていくものと思います。
保護者の皆様、お子様の絵からは、美しい未来にしたいという、純粋な気持ちが伝わってきます。是非、お子様の絵をお家に飾り、子どもの思いを大切に受け止めてあげてください。